製菓材料 株式会社イシハラ

原材料基礎講座 カラギナン

カラギーナンっていったいどんなもの?

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海藻のスギノリやツノマタより抽出される増粘ゲル化用の高分子多糖類で、厳しい基準の中製造されています。見た目は白色~薄茶色の粉末です。
日本より欧米でよく使われています。別名「カラギーン」・「アイリッシュモス」とも呼ばれています。

 


 

カナギーナンの命名とその由来

1800年代中期、アイルランドで大飢饉が起こった。この時、カラギーナン地方の人々はトチャカを料理して飢えをしのいだ。これが今日でも「聖なるパト リックスープ」として知られる海藻類として残っています。このような史実から、トチャカのことを「カラギーン」と呼ぶように、それから取れる粘質物を、 「カラギーニン」と呼んだ。
その後、この物質が多糖であることがわかり、現在では国際糖質命名規則に従い「カラゲナン(カラギーナン)」と呼ばれています。

 


 

カラギーナン3兄弟?

カラギーナンは「ガラクトース」とその誘導体がズラリと並んだ細長い鎖状の構造をもっていますが、その誘導体の比率によりカッパ・イオタ・ラムダ型という3つの形態のものがあります。

 

 

特 性

κ(カッパ)型 ミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)または、タンパク質(特に牛乳カゼイン)によりゲル化。
Ι(イオタ)型 ミネラル(主にカルシウム)によりゲル化。 ゲルは、粘弾性に優れ、離水が少なく、凍結しても同じ状態に戻る。
Λ(ラムダ)型 水に溶かすと、強い粘性を示す液体になる。保水性が高い。

 


 

カラギーナンの用途

牛乳を用いるデザート類・冷凍用デザート類・インスタントデザート類(例えば牛乳を混ぜればすぐ出来るゼリーなど)等に幅広く利用できます。

 


 

他のゲル化剤との違いは?

ゼラチン(動物の皮や骨から作られている)・寒天(海藻のテングサから作られている)は、煮溶かしたものを単に冷やし固めるだけですが、カラギーナンは、ミネラル類(カリウム・カルシウムなど)やタンパク質の作用によって、ゲル状に固まります。

 


 

カラギーナンの特徴

1. ミネラルを多く含む食品や、タンパク質の多い食品(牛乳など)に添加すると、ゼリー状に固まる力が高まる。
2. 冷凍しても本来の特性が失われることがない。
3. ゼラチンと違って室温でも溶けない。そのため夏場でも安定して崩れにくい。
4. カロリーカットのためダイエットに最適。
5. 粘性や保水性があり、ソース類の「増粘剤」やアイスクリームの「安定剤」にも利用できる。

 


 

こんなところにもカラギーナンの活躍が!!

※アイスクリームやキャンディーをトローリとしてくれます。
※かまぼこやちくわ等の魚肉製品のこしの強さを出します。
※ハム・ソーセージに弾力をもたせます。
※缶詰のペットフードが缶からスルリと落としてくれます。 

 


 

今時の女子大生のお好みは?

この頃の女性は甘い物に目がないと言われていますが、最近では、色々な種類の物を食べて比較するという傾向があります。
そこで、女子大生を対象にしたおもしろい実験結果があったので紹介したいと思います。
それは、ゼラチン・カラギーナン・寒天の3種類のゲル化剤を用いたゼリーのどれを一番好むかという実験です。
まず、砂糖無添加において3種のゼリーの固さの面から比較すると、寒天ゼリーが顕著に高い数値を示し、最も固いという結果がでました。
次に固かったのはゼラチンゼリーで、寒天との差は大きくカラギーナンはやや近い数値を示した。
次に、凝縮性についてみると、カラギーナンゼリーが3種の中で最も1に近い値を示したことから、歯で噛まれた後のゲルの回復率が最も大きい。このことから、カラギーナンゼリーが最もやわらかく弾力性を持ったゲルを形成していると思われます。
又、寒天ゼリーについては凝縮性の値が0.00を示し、ゲルのバネ力がなく、圧縮された際に壊れやすいということができます。
又、砂糖添加においての固さについてみると、カラギーナンが他の2種のゼリーに比べ顕著に高い値を示し、固いということがわかった。
次いでゼラチン、寒天となりました。
又、砂糖無添加と比較した場合、カラギーナンは顕著に、ゼラチンではわずかに固さを増した結果になった。
これは、砂糖に親水性があるため、砂糖がゲル中の自由水をつかみ、固いゲルが得られたためといえます。
凝縮性においては、砂糖無添加ゲルの場合と同様の傾向であったが、カラギーナンについては、砂糖を添加することで、凝縮性が顕著に高くなった。
つまり、砂糖無添加ゼリーは寒天ゼリーが最も固く、砂糖添加の場合は、カラギーナンが固くなることになる。
又、凝縮性はいずれの場合もカラギーナンがもっとも高く、砂糖を添加することにより弾力を増すことになる。
この結果から、カラギーナンゼリーが最も好まれる傾向があります。これは、口どけがよく、滑らか、口当りがあり、ゲルを噛んだ時の回復率といった弾力があるためと思われます。

参考資料:佐藤 智美、塩野崎 綾さんの「ゲル化剤の種類とその嗜好性の検討」

 


 

なかなか聞きなれない言葉「カラギーナン」ですが、私たちの以外に身近な所で色々と使用されているのですよ。そこで、簡単に作れるレシピを紹介するので、さっそく「カラギーナン」を使って紅茶ゼリーを作られてはいかがでしょう。