製菓材料 株式会社イシハラ

原材料基礎講座 ベーキングパウダー

お菓子作りによる膨張作用の分類

  膨張の仕方 生地の状態 利用例
物理的膨張作用 気泡の熱膨張 卵白・卵黄を泡立て、 気泡を混ぜた状態 スポンジ生地
水蒸気による膨張 バターを泡立てて、気泡を混ぜた状態 バタークリーム
科学的膨張作用 膨張剤によるガスの発生 大量の水分を混ぜ込んだ生地 シュー生地
バターを薄い層状にに折り込んだ生地 折りパイ
生物的膨張作用 微生物によるガスの発生 膨張剤(重曹・BP・イスパタ)を添加した生地 バターケーキ
酵母を添加して、発酵させた生地 パン

 

今回はこの中の科学的膨張作用について愛国産業の大賀啓義様にご説明を願いました。

 


 

1.合成膨張剤の種類

 A.べ一キングバウダー(一剤式合成膨張剤〉
べ一キングパウダーは炭酸ガスを発生することによって菓子を膨張させるものである。アルカリ性剤すなわち炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム、重曹)と 酸性剤を加えて一包式にミックスしたものである。原料成分はアルカリ性剤である炭酸水素ナトリウムに対し酸性剤として、d一酒石酸水素カリウム、第一リン 酸カルシウム、d一酒石酸、焼ミョウバン、フマル酸、リン酸ナトリウム、グルコノデルタラクトン〈G・D・L)等を組合せて用い、更に遮断剤としてスター チ類が加えられている。

B.二剤式べ一キングパウダー(二剤式合成膨張剤〉
一剤式の膨張剤を、アルカリ性剤と酸性剤の二包式に分けてセットしたものである。使用に際して両剤を適量ミックスして使うものである。保存性は良いが、使 用時に際して不便なのが、なによりの欠点である。特徴としては紙、ポリエチレン等の通気性の包装容器を使用しても、効力が減少することはない。

C.イスパタ(アンモニア系合成膨張剤)
アンモニアガスと炭酸ガスの併用による、その特徴を生かしたものをイスパタという。通常イスパタの場合、他の酸性剤も配合されているため、水に投入したと きに多少のガス発生が見られるが、バッターの膨張には影響は与えない。本来アンモニア系は、塩化アンモニウムと炭酸水素ナトリウムと遮断剤で構成されるの が理想であるが、べ一キングパウダー本来の特徴として、混合時に多少のガス発生がある方が、バッターの膨張には、良い効果が得られるので、ある程度の酸性 剤が配合されることが望ましい。なお、イスパタは通常水溶きして使用するのが一般的な使用法ですが、当社のイスパタの場含、用途に応じてべ一キングパウ ダーと同様に小麦粉に混合して使用することができます。但し、この場合、生地を一時間位ねかせることをお勧めします。

 


 

2.用途別

 A.焼物用
オーブンを使用する菓子とフランスパンなどを使用する菓子の2タイプがあるが、両者とも共通することは、良い焼色を付けるということである。焼成中のメイラード反応の効果をよりあげるため、全般にPHを弱アルカリ性にしてあるのが特徴である。

B.蒸物用
このタイプのべ一キングパウダーは、PHを低めにしてあるので、小麦粉中のフラボンの影響をうけにくい。蒸し上がりが白く、おいしそうなつやがでる。またボリュウムもでるように調整されている。

C.揚物用
揚物の最も大切なポイントは、油面にタネを落としたときに、早く大きくひろがる(花咲き効果)かが問題となる、そのために早く分解して、タネの中にガス泡をたくわえ油中にて速やかにガス交換が行われるように酸性剤が配合されている。

 


 

3.タイプ別

 A.速効性
加水してミキシングが始まると同時に少量のガスが発生し、バッターまたはドウ中に炭酸ガス細胞を抱き込ませる。混合も短時間で終わる方が良い。特にイースト使用のドウに向いており、主に有機酸が多く配合してある。

B.遅効性
加水してミキシングが始まると同時にガスが発生し、ミキシングが終わったあとは、生地中でほとんど分解が進行しない。速効性タイプは加水の影響はあまりな いが、遅効性タイプでは加水量により、バッター中での分解時間が変化してくる。したがって加水量の違いにより、べ一キングパウダーを選択することが必要で ある。

 


 

使用量の目安(粉に対して)

スポンジケーキ 2~4% ドーナッツ 2~3% ビスケット 2~4%
レアーケーキ 2~4% マフィン 3~4% クッキー 1~2%
カップケーキ 2~3% ワッフル 3~4% 中華饅頭 1~1.5%
パウンドケーキ 1~2% パンケーキ 3~5% 蒸しパン 3~5%