製菓材料 株式会社イシハラ

原材料基礎講座 ペクチン

ペクチンって何?

果実や野菜に大量の砂糖を加えて煮詰めると独特のトロミがでて、ジャムができます。
これは、果実や野菜に「ペクチン」という天然のゲル化剤が多量に含まれているからです。
この「ペクチン」の含有量は、植物の種類により、それぞれ異なります。また同じ果実でも、その成熟段階によってペクチンの含有量は大きく変化します。
未熟な果実では「ペクチン」が非常に長くつながって「プロトペクチン」という形態になっているので、そのままでは水に溶けませんし、集まってゲルを作ることもできません。
一方、必要以上に熟しすぎた果実では、ペクチン自体がバラバラに分解され、ゲル化する能力を失ってしまいます。
ですから、良いジャムを作るためには、その果実の熟し具合にも充分注意して、最も良い時期のものを用いなければなりません。
また、もともとペクチン含有量の少ない果実でジャムを作る場合には、市販されているペクチンを添加してトロミを補う必要があります。

 


 

成熟度とペクチン

  種 類 分子の大きさ ゲル化
未 熟 プロトペクチン 大きい ×
成 熟 ペクチン 単糖類約1000個
過 熟 ペクチン酸 小さい ×

 


 

ペクチンは体にいい?

食物繊維としてのペクチンの特性は、私たちの健康維持に非常に重要な役割を担っています。ペクチンには整腸作用があり、下痢や便秘を予防する効果があります。
腐敗金や病原菌などの有害菌の増殖を抑制し、発がん物質などの生成も抑制するといわれています。
また血液中のコレステロール、なかでも悪玉と呼ばれているLDLを下げる働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病にもよい効果を上げるといわれ注目を集めています。
つまり、ペクチンは体の中をきれいにする食物繊維なのです。

 


 

HMペクチンとLMペクチン

 ペクチンを加工して少量のメトキシール基を除去したものをHMペクチンと呼び大量のメトキシール基を除去したものをLMペクチンと呼び下記の通り性質の違うものが出来る。

 

ペクチンの種類 ゲル化の必要条件
pH 砂糖 ミネラル類 水溶固形分量
HMペクチン pH2.7-3.5 55-80% 60%以上
LMペクチン pH3.2-6.8 カルシウム・マグネシウム等に反応 8-85%

 

以上のようにHMペクチンを使うと大量の砂糖と強い酸を必要とするため甘味と酸味の強いジャムを作ったり他のゲル化剤では固められないような酸味の強い物を固める場合に使用します。
又LMペクチンは牛乳を用いて作るデザートや甘味や酸味を押さえたデザート類、うわがけゼリー(ナパージュ)に使われています。

 


 

ペクチン Q&A

Q. ペクチンは糖質の一種なのにカロリーがないのはなぜ?
A. 同じ多糖類でもデンプンは、唾液や膵液の中に含まれているアミラーゼによって、バラバラに分解されます。
しかしペクチンなどの「植物系ゲル化剤」はヒトの消化酵素では 分解することができないので、吸収されないまま、消化管を通過します。
このように、同じ「多糖類」でもヒトの消化酵素によって、分解できない物は、一般に「食物繊維」と呼ばれています。
この食物繊維には「ペクチン」の他、「カラギーナン」「寒天」「セルロース」「アルギン酸」「グルコマンナン(コンニャク)」など、いろいろな物があります。

 

  果実中のペクチン含有量(100g当り)/ユニペクチン社資料より
アンズ 0.40~0.80 (g)
イチゴ 0.30~0.80 (g)
イチジク 0.35~1.15 (g)
オレンジ 0.70~1.50 (g)
カシス 0.60~1.70 (g)
サクランボ 0.10~0.70 (g)
プラム(黄) 0.90~1.60 (g)
ラズベリー 0.30~0.90 (g)
リンゴ 0.40~1.30 (g)