以前にもご紹介させて頂きましたが(「製菓原材料情報138号」)、クルミには必須脂肪酸である「オメガ3系脂肪酸」という成分が豊富に含まれています。オメガ3系脂肪酸の中でも代表的な「αリノレン酸」が含まれており、これは体内で合成・蓄積ができず、食事からしか摂取することができない必須栄養素です。
クルミなどのナッツ類はこれまで脂肪分の含有率が高いことからダイエットなどには向かないと敬遠されがちな食品でした。しかしながら、ナッツの栄養素に関する様々な研究が進んでおり、今回ご紹介するオメガ3系脂肪酸は「心臓病のリスクを減らす」「血液をサラサラにして血管が詰まるのを防ぐ」などと言った効果があることが分かっています。
アメリカでは政府機関が国民にこの成分を積極的に摂取するよう呼びかけているようです。米国管理予算局は今年5月発行した文書の中で、農務省・保健社会省に対し「心臓病を引き起こす可能性の高いトランス脂肪酸の摂取を減らし、逆に心臓病になるリスクの低いオメガ3系脂肪酸を含む食品を摂るように推奨すべきだ」と提案しました。トランス脂肪酸を摂取すると悪玉コレステロール値を上げ、善玉コレステロール値を下げてしまい、動脈を詰まらせてしまうということが分かっています。米国では、食品医薬局が主となり、このような有害な脂肪の含有量の表示を義務化する計画もあるようです。
現在進んでいる研究では、オメガ3は心臓病だけではなく、ガン予防・リウマチ性関節炎症状の緩和などにも効果があるとうことが分かってきています。
米国科学アカデミーはオメガ3の摂取量として、男性で一日1.6グラム、女性で1.1gグラムをすすめていますが、1オンス(28.35グラム)のクルミを食べるとこれよりも多い2.5グラムのオメガ3が摂取できます。
スナックとしてそのまま食べたり、サラダにふりかけたり、手軽に食事に取り入れることができるクルミは、オメガ3系脂肪酸を摂取するのに最適な食品と言えるでしょう。