配信メール第326

07/11/29




穀物価格の高騰とバイオ燃料利用拡大


大豆や小麦、トウモロコシなど穀物価格の高騰が続いていますが、その原因はオーストラリアの大干ばつ、ウクライナとカナダの干ばつ、アメリカでの異常気象などの他に、中国・インドなどの急速な経済成長やバイオ燃料の普及による穀物の奪い合いという構造的要因が大きいとされています。

ブラジルではサトウキビ生産量の50%、アメリカではトウモロコシ生産量の27%がバイオ燃料原料となっており、国際エネルギー機関(IEA)によると2030年にはバイオ燃料の使用量は2004年の6倍に増加すると予測しています。

穀物価格高騰の原因のひとつともなっているバイオ燃料ですが、地球温暖化が深刻化する中で利用拡大が進んでおり、オーストラリア政府が運営する研究機関"CSIRO (the Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization)"が27日に発表したバイオディーゼルに関するレポートによりますと、温室効果ガスの排出量削減にはやはり効果があるようです。
バイオディーゼルは食用油や獣脂など、脂肪酸を含むあらゆる製品から作ることができ、ディーゼル燃料の代わりに使ったり、またディーゼル燃料と混ぜて使うことも出来ますが、研究では使用済み食用油をディーゼル燃料の代わりに使うことで温室効果ガス排出量を87%削減することが出来たそうです。
オーストラリアにおいて交通機関から排出される温室効果ガスの量は建築・工作用機械、農業機械に次いで第3位にあたり、バイオディーゼルを普及させることができれば、かなりの削減量を見込めると言えます。

そんな中、今年10月1日、オーストラリアのNew South Wales州では州内の一時卸売業者から販売、また州内へ供給されるガソリンに対し、総量の2%をバイオエタノールとする"Biofuel (Ethanol Content Act 2007 (バイオ燃料法)"が施行されました。2007年11月現在のオーストラリア国内でのエタノール生産は、砂糖生産の副産物である糖蜜などを原料とする3つの施設のみで、年間1万6,300リットルを生産するに過ぎませんが、今後数年間で8つのエタノール製造施設の建設が予定されており、小麦などの穀物原料を主体に現在の7倍の年間12万3,000リットルの生産量が見込まれています。
大干ばつが続き、穀物生産量が大幅に減少することが予想される中、穀物価格の上昇を一段と加速させる要因ともなり得ます。

今後ますます穀物の奪い合いが過熱しそうです。
また新しい情報が入り次第、皆様にお届けいたします。





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