配信メール第329

07/12/20




バイオエタノールの普及が引き起こす弊害


温室効果ガスの排出量が比較的少なく、化石燃料よりも環境負荷が少ないとして注目されているバイオ燃料の原料として、アメリカではコーンの生産が拡大しています。
しかしこのコーンによって、温室効果ガスとはまた別の深刻な環境問題が発生しているようです。

コーンの生産には窒素ベースの化学肥料が使用されますが、大量の化学肥料が中西部の「コーンベルト」と呼ばれる生産地域で使用され、畑から流れ出てミシシッピ川を通り、メキシコ湾に注ぎ込んで7,900平方マイル(約2万540平方キロメートル)にもわたる「デッドゾーン」を形成しています。化学肥料が藻の大量発生を引き起こし、その藻が死んで海底に溜まり、腐敗することによって海水の酸素を消費し生物が住めない状態になるのです。
この現象は1985年に初めて確認され、以来毎年拡大を続けています。今では毎年2億1,000万ポンドの化学肥料がメキシコ湾に流れ込んでいると言われ、2007年の具体的な数値はまだわかっていませんが8,500平方マイル(2万2,100平方キロメートル)を記録した2002年、8,006平方マイル(2万816平方キロメートル)を記録した2001年に次いで3番目の大きさとなるようです。

以前はミシシッピ川の河口付近に留まっていたデッドゾーンが年々拡大するにつれ、メキシコ湾では遠く沖合いへ出なければ魚が獲れないようになってきているといいます。カニや牡蠣など、海底に暮らす生物は沖へ逃げることも出来ないため、漁をしても網にかかってくるのは大量の死骸ばかりだそうです。

農家側もこの事態を認識してはいるようですが、バイオエタノールの普及拡大につれコーンの価格が高騰するなかで、わざわざ他の安い農作物を生産するより、コーンを生産する農家が増えるのは当然のことと言えます。
事態を打開するには、アメリカ政府による包括的な規制が必要です。化学肥料の使用を緩やかにする、また、緩衝地帯を設けるなどの対策が考えられますが、窒素ベースの化学肥料なしでコーンを生産することは農家にとって全く採算が合わないなど、実際に規制するのは容易ではありません。

「環境負荷が少ない」という単純な認識でバイオ燃料が普及していますが、そう簡単にはいかないというのが現実のようです。

また新しい情報が入り次第、皆様にお届けいたします。





毎週木曜日に最新の製菓材料情報を無料で配信させて頂きます。
ご希望の方はi-info@ishiharacompany.comまでご連絡下さい。
(C) Copyright Ishihara Co.,Ltd. all rights reserved